*魂の次元*

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「女性のカラダはパワースポット」は、「子宮系ニセ医学」として非難するべき言説なのか?

山田ノジル@スピリチュアル百鬼夜行さんのツイートが
「子宮はお宮、膣は参道、だから女性のカラダはパワースポット」 2018年夏の子宮系ニセ医学トンデモ怪談 - Togetter
としてまとめられ、345件のブックマークがつき、あきれるやら、あざわらうやら、様々なコメントのオンパレードとなっています。

「スピリチュアル≒詐欺商法」と考える「はてな系純朴科学オタク」の皆さまとしては当然の反応だなと了解するのですが、「子宮系ニセ医学」とでも呼びたくなるような「オカルト」な言説にも、幾ばくかの存在意義があると考える者といたしましては、科学的リテラシー豊かなみなさまに

  • 「オカルト的」言説の有用性

についてもう少しご理解いただけたらなー、と考えて、余計なお世話の解説を試みる次第です。

「子宮系ニセ医学」などの「有害性」についてまず確認

ブックマーク・コメントで、id:kasekiiさんが、

冗談じゃなく女性誌ってほんとこの手の女性の体や医療に関する嘘情報が蔓延している。生理痛や片頭痛など女性特有の悩みに絡めて根拠ゼロの嘘がずらずら並べられた雑誌をローティーンのころから読まされる。有害

と完結に「嘘情報」の有害性についてまとめてくださっています。

「ニセ医学」とか「ニセ科学」とかがもっともらしく「嘘情報」を書き立てて、人の不安を煽ったり、不安につけ込んだりして高額商品を売りつけたりすることは、倫理的にグレーな領域に入るものであり、そうした「被害」を防ぐための啓蒙活動が大切だいうことについては、ぼくも異論はありません。

こうした問題は「女性」に限ったことではありませんが、「女性特有」の問題もあることから、そうした点に配慮することも大切でしょう。

しかしながら、こうした一見「嘘情報」と思えるものも、「100%嘘」と言い切ることはできないことには注意が必要です。

科学的には「眉唾もの」の説明であり、医学的には「無効能」であったとしても、プラシーボという暗示の効果を利用した「科学的にも説明が可能な効能」によって実際に「症状」が改善する人がいる以上、「その効能」を説く人や、それを素朴に信じる人に対して、

  • あざ笑ったり、バカにしたり、感情的に非難しても、大して有効ではない、

だろうなー、と思うわけです。

どうして「非科学的な言説」を信じる人がたくさんいるのか、どうしたらその状況を変えられるのか、そして、それはそもそも悪いことなのか、いろいろな問いかけが必要なように思われます。

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そもそも「子宮をお宮に見立てる」ことになんの問題があるのか?

山田ノジルさんの

【第14話】子宮系女子をはじめとする一部スピ界隈による主張→「子宮はお宮を表している!」「膣は参道」だから「女性のカラダはパワスポ」。本職(神職)曰く「神社の全体構造は女性器を模したものだなんて教義、聞いたこともなければその根拠もわからない」。

というような書きっぷりを見れば、おもしろおかしく人の言説を取り上げて、娯楽を提供する以上の意図はないのでしょうから、それについては別に言うこともありません。

  • 「子宮をお宮に見立てるなんてバカバカしいことだ」

と思うみなさまは、仲間同士で「そうだ、そうだ」と盛り上がっていればいいというだけのことです。

けれどもたとえば、長野の善光寺などでは「戒壇巡り」というお参りがあり、別名を「胎内巡り」ともいうことは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

母体を豊穣の象徴と考えたり、世界の力の根源として男根を信仰したりすることは、世界中で普通に見られる、人間にとってごく自然な世界観です。

太古の昔より、様々な疫病などで苦しんできた人々が、こうした宗教的な世界観や儀式などを使って暗示による自然治癒の効果を活性化し、生活に役立ててきたことは、「非科学的」でもなんでもなく、人間の歴史が生み出した生活の知恵であるのは明らかなことです。

もちろんそうした「信仰による治療」が、鎮痛解熱剤や抗生物質などに象徴される、劇的な効果を持つ近代的な薬物や治療法には遠く及ばない面も多いことは言うまでもありませんが、現在の行き過ぎた近代医療による多大な「副作用」を考えれば、「スピリチュアル」な方法論というものは、嘲笑っていればすむようなものではなく、むしろその中の「有効な部分」を今後どのように近代医療に取り入れていくかが問われる時代になっているものと思われます。

その片鱗は、仏教的な瞑想の手法を取り入れた精神療法であるマインドフル・ベースド・認知行動療法 Mindfulness-based Cognitive Therapy (MBCT) の普及で注目された「瞑想の科学とその意義」が、精神療法にとどまらず、精神的な健康法や創造的な能力の育成法として、ひろくビジネス界に広っているアメリカ社会などのあり方を一瞥すれば、分かっていただけるのではないかと思います。

科学と非科学を分けるという極めて難しい問題

ノジルさんは、

【第2話】会陰マッサージの進化版(!?)「膣ピチュ」。ピチュとはアーユルヴェーダにおけるオイル湿布のようなもの。植物オイルをコットンORタンポンにひたして膣に入れると、会陰切開を予防したり、女性性を高め、女性ホルモンのバランスを整えたりするという。膣、大忙し。

と書いて、この「膣ピチュ」がさも「非科学的」なものであるかのように

  • 読者をおもしろおかしく誘導

するのですが、このような「誘導」がまったく「非科学的」なものであることにも、十分注意する必要があります。

ぼくは「膣ピチュ」に効果があるともないとも言いうるだけの知識を持ちませんが、

  • 「膣ピチュ」には効果がない

などということは、そもそも科学的に言いうることではありません。

効果があるということは、十分に検証しなければ言えないことですし、「有害ではない」と言い切ることもできませんから、安易にそれをすすめるような態度は「科学的ではない」とは言えるでしょう。

けれども、近代的な医療というものが、製薬会社の意向にしたがって、大いに副作用の恐れがある薬剤を「極めて安易に」処方している現状を考えれば、「近代医学」に不信感を抱く方々が、自己責任で「代替療法」を試みることは、何ら悪いことではないし、バカにしたり、眉をひそめたりするべきことでもないでしょう。

『「膣ピチュ」が「非科学」的か「科学」的か』というようなことを、「思い込みだけ」で判断することこそ、まったく「非科学的な態度」としかいいようがないのですから、科学的なリテラシーが高いみなさんには、そうした「非科学的な態度」をたしなめる言説をこそ期待したいと思うのですが、それは何か難しいことなのでしょうか?

助産師さんたちのホメオパシー信仰も含め、お産を女性が取り戻すことの意義について少し

さて、「ニセ科学大嫌い」なみなさんならば、助産師さんたちの間に広がる「ホメオパシー信仰」についても、さぞかし不愉快な思いをなさっていることと思いますが、「ホメオパシー」と「子宮系」というあまり重なりを持たなさそうな二つのクラスターの共通点について簡単に述べて、この記事の結びにしたいと思います。

この二つのクラスターに属する方々の共通点は、

  • 近代医学によって女性から奪われたお産という崇高な儀式を女性の手に取り戻すこと

にあると言えるでしょう。

  • 『男性の医者によってモノのように扱われることを嫌い、標準医療にも頼らずホメオパシーを使い、そして、できる限り医者の世話にならずに助産師によってお産を行なう』

というような考え方と、

  • 『会陰切開という屈辱的な「医療行為」を受けたくないために、あるいは女性ホルモンのバランスを整え、医者にかからないですむ健康な体を作るために「膣ピチュ」をする』

という考え方は、近代医学の主体である男性から、女性がお産を取り戻すための試みに他ならないと言うことができます。

社会の主流的思考形態に「馴染み切った」みなさんには、このような簡単な説明では異質すぎて理解が困難かもしれませんが、なんらかの形で「少数者」の立場にあるかもしれないみなさんには、このくらいの説明でも

  • 「ホメオパシー」や「子宮系」といった一見オカルトにしか見えないものの底流にある、現代社会への異議申立て

という重要な意味合いを読み取っていただくことができるかもしれないと思い、このような一文をものしてみた次第です。

とまあそういうわけで、「オカルト言説」を丸ごとポイ捨てするんじゃなくて、虫食いのリンゴがあったとして、虫食いの部分だけ捨てて、あとの傷んでない部分はおいしく食べればいいじゃない、というようなお話でした。

それではみなさん、ナマステジーっ♬

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