*魂の次元* (by としべえ)

肩から力を抜いて、自由に楽しく生きる。

代替医療としての「ホメオパシーやEM菌の意義」と疑似科学「批判」の有害性について

同種療法とも呼ばれるホメオパシーは、現代科学ではその根拠が証明されていないため、疑似科学でしかないとの批判があります。

けれども、どんな物質にもプラシーボ(偽薬)効果は当然ありますから、ホメオパシーのレメディ(糖衣錠)を服用して症状が改善する人がたくさんいるのも当たり前のことです。

ここでは、仮にプラシーボ効果しかないとした場合に、

  • ホメオパシーにはどんな意義があるのか、また、
  • プラシーボ効果しかないホメオパシーは批判すべきものなのか、

という二点について、以下、簡単に述べます。

そして、前回の記事
人気の代替医療・ホメオパシー早わかり - 科学的「根拠」はなくても効くんです - *魂の次元*
にいくつかコメントをいただいていますので、その回答も添えておきます。

id:jo_30さんにありがたいコメントをいただきました。[2018.03.01 追記]

よくわかります。
宗教を安易に科学で批判したら信者が傷ついちゃうでしょ、ということですね。(*‘∀‘)b!

ぼくが言いたいことの核心をずばり突いていただいたコメントです。

プラシーボだと知っていても、プラシーボは効くんです

id:tanukichi087さんから次のようなコメントをいただきました。

ホメオパシーがプラシーボ効果に基づくものだって理解した上でも、プラシーボ効果は発生するのかな?人間って不思議だ。

プラシーボであると知っていても、効果があるという研究の紹介がこちらにあります。

プラセボ効果の威力恐るべし。それが偽物だとわかっても効果が持続するその理由とは?(米研究)(2015年7月31日) - エキサイトニュース(1/2)

不思議といえば不思議なのですが、これは、

  • 暗示によって自己治癒力効果が発揮される

という話であり、無害かつ有益な自然療法と言えましょう。

もちろんこうした効果はホメオパシーのみのものではありません。

疑似科学としてやり玉に挙げられるEM菌にしても、それが効くと思って飲めば、「本当に」効くのです。

風邪をひきかけたときに、ホメオパシーのレメディやEM菌を飲めば治るのだ、と信じている人が、実際にそれを飲めば風邪の症状の悪化を防げる可能性は十分あるのですから、それを「やめろ」とは言うことにはあまり正当性がありません。

もちろん、新生児に投与するビタミンKのような化学物質について、代わりにレメディを投与する、というような場合は、話が異なります。

ビタミンKを投与したからといって新生児メレナが防げるとは限りませんが、お母さんの側に余程強力な理由がない限り、お母さんに対する「プラシーボ効果」を考えて、ビタミンKは投与するのが筋でしょう。

ビタミンKの「毒性」がどうしても気になるお母さんには、それをキャンセルするレメディを処方すればよいものと思われます。

以上、見たように、プラシーボ効果しかない療法であっても、

  • 現に「役に立つ」と思っている人がいる以上、それは「確かに役に立っている」

のですから、それだけで、十分に社会的な意義があると言えます。

標準医療から見て、過度の適用がないように、適切な助言は必要でしょうが、科学的に根拠がないのだから使うべきではない、というような言い方はするべきとは思えない、という話です。

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なぜ疑似科学を「批判」すべきでないのか

科学的な知識を重視する方々の中には、ネット上で疑似科学的な発言をしている人を見かけると、無条件に「批判」するような方がいらっしゃいます。

表現の自由という基本的人権や、ストレス解消や自己承認欲求の充足という心理学的要素を考えれば、そうした「批判」を『するな』というわけにもいきませんが、社会的な安全保障の観点からは、そうした「安易な批判」は無効であるという以上に

  • 「危険なものなのだ」

ということは一言申し述べておきたいと思います。

なぜこれが「危険」かというと、そうした「批判」こそが「カルト化」を助長することになるからです。

ホメオパシーの効果を信じている人が、「科学的に言ってホメオパシーには効果はない」とネット上で言われたからといって、果たして納得するでしょうか?

むしろ、「現代科学を信奉する人間にはホメオパシーの価値は分からない」と考え、「現代科学忌避」の傾向を強めるだけではないでしょうか?

ホメオパシーを全体として否定するようなことは避け、新生児に投与するビタミンKのように、

  • クリティカルな問題についてはきちんと情報を提供する

というような態度こそ、標準医療を実践する側に求められているものと思います。

EM菌についても、同じことが言えます。

EM団子を河川に投入するのは、

  • 「水質汚濁の原因になるだけだからやめよ」

と主張する方がいますが、EM信者の方が年に数回みんなで有機物を投げ込んだからといって、一体どれだけ水質汚濁がすすむというのでしょうか?

そうした重箱の隅をつつくようなことを言っているお時間があるのでしたら、福島第一の汚染について、自慢の科学知識で、いくらかでも発言していただければ、人類の集合知に対して、小さな貢献ができるというものではありませんか。

おまけに、EM菌は水質を浄化するという研究も、日本以外では活発になされています。

本当のところ効果があるかどうかは、現状では議論が別れるところでしょうが、現状で「効果がない」と勝手に決めつけるのは、まったく科学的な態度とは言えません。

科学を深く理解している方ならば、

「EM菌がその波動によって効果を表すということは、現代科学の立場では意味をなさないし、EM菌に水質浄化の効果があるとは、自分には考えられない」

というような言い方をするはずです。

ですから、ホメオパシーやEM菌の効果を信じている人たちをカルト化させないためにも、科学を十分理解しているあなたならば、どうか「安易な批判」は避けてほしいと思うのです。

コメントへのお返事コーナーです

以下、いただいたコメントのいくつかについて、時間順でお返事させていただきます。

id:yumehikoさん、

  • ホメオパシーは推奨されるべきでは無い。本能は理性に勝るからこそ、我々は慎重になるべきだということ。

・「本能が理性に勝る」人は多いということはあると思いますし、一般的に「ホメオパシーを推奨するべきではない」と考える方がいらっしゃるのは当然と思います。

・とはいえ、ホメオパシーを使って「確かに効いた」と思う人がそれを周りの人にすすめることを、「あなたはそのようなことをするべきではない」と果たして言えるものでしょうか?

id:kotetsu306さん、

  • 元のGIGAZINEの記事にすらあるとおり、プラシーボ効果を越える治療効果がないと標準医療として認められないんだけどね。効果の劣るものを積極的に選ぶことを正当化してると、いずれカルト化する

・ホメオパシーが標準医療ではないのはおっしゃる通りです。だからこそホメオパシーには存在意義があります。たとえば、保険とは関係なく自由にできるからこそ、代替医療としての役目が果たせるのです。

・ホメオパシーは効果において「劣る」かもしれませんが、効き目のある薬物には必ず副作用もあります。その点を考慮し、不必要な処方を避けるためにプラシーボを投与することは、「標準医療」の範囲内でもありうる選択肢だと思います。

・「カルト化」は様々な条件が重なったときに生じる現象であり、「ホメオパシーは必ずカルト化する」といった主張は現実的なものとは思えません。

id:triggerhappysundaymorningさん、

  • 効かねえから批判されてんだろ.少数のプラセボでどうにかなった件を針小棒大に宣伝してるだけならホメオパシーじゃなくて鰯の頭でもええんやぞ.

・「効かないから」というのは批判として意味をなさん、いうことやな。

・おまけに、プラシーボ効果は「少数」ではなくて、「多数」の人が経験するものだからこそ、意味があるんや。

・「鰯の頭」上等。

id:tohshindainokawaisaさん、

  • プラセボ効果を持ち出してそれでホメオパシーが効くっていうなら、もうそれってホメオパシー自体の必要性はないということでおk?

そういう意味では、ホメオパシーに「必要性」はありません。お守りに「必要性」がないのと同じことです。
裏返していえば、現に「有効」である以上、使う人を批判する理由もありません。

id:shima2tiger さん、

  • そうすると、アフリカの呪術師とかお守りとかもアリだな

「強力な」アフリカの呪術師のお守りなら、さぞ「効き目」があるものと思います。
もし手に入ったらご一報ください :-P 。

というところで、この記事はおしまいです。
それではみなさん、ナマステジーっ♬

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