敬愛するはてな村の先輩のわっとさん (id:watto) が、
今月も最寄駅前の「戦争はイヤだ!」集会に出てきたので少し遅くなったが写真を貼る - しいたげられたしいたけ
という記事で、月例の街頭集会に参加した様子を書いてらっしゃいます。

今回はわっとさんの記事に相乗りさせていただいて、街頭で政治的な意思表示をすることの意味と、民進党の枝野幸男氏による国会での「安倍内閣不信任決議案の趣旨説明」について書くことにします。

街頭で政治的な意思表明なんて、なんでそんなダサいことを?

すっかり平和ボケしてしまったニッポン国のみなさん、こんにちわ。

ぼくも若い頃には、いかにも運動運動した、右手の握りこぶしを宙に突き出して、みんなで大声で叫ぶような「政治的意思表示」には近づきたくないなと思っていました。

それだけでなく、初めて選挙に行ったとき、誰に投票すればいいやら皆目見当がつかぬまま、選挙公報でなんとなくもっともらしいことを言っている「泡沫」候補の方に投票して、まったくの死に票になってしまった自分の「清き一票」の残骸のあまりの惨めさにがっくりときて、その後ずいぶん長い間選挙から足が遠のいてしまったものです。

もちろん世の中には政治に関心を持たない権利や、投票をしない自由というものもありますから、

  • 「日本国民たるもの選挙に行かねばならない」

などという野暮なことを言おうとは思いません。

けれども、もしあなたが、

  • 「今の世の中、なーんかおかしんだよなーー」

と思っているとしたら、今までの先入観を捨てて、選挙に行ったり、デモに参加してみるのも一つの方法だと思うのです。

  • 選挙に行っても所詮焼け石に水、
  • デモに行っても世の中は変わらない、

それは確かにそうかもしれません。

そうであっても、あなたが行動を起こすことで、あなたの中で何かが変わり、その影響は周りの心ある人に伝わっていきます。

世の中の変化というものは、一人ひとりが積み重ねていく、そうしたとっても小さな行動から起こるのですから、どんなに小さくてもいいので、自分にできるところから、ほんの少しでも行動を起こすことによって、「なーんか、おかしい」この世の中に揺さぶりをかけていくことが大切です。

そのための一つのやり方として、選挙やデモを試してみる、ということも決して無駄なものではないと思うのです。

街頭で意思表明をすることの積極的意義は「肌で時代の空気を感じる」ことにある

SNS全盛の今の世の中ですから、意思表明をすると言っても、ネット上で事足りてしまう面も確かにあります。

とはいえ、街に出て体を動かすことによって、ネットでは得られないリアルな体感が得られることは、いくら強調しても強調しすぎることはないことでしょう。

わっとさんが、憲法九条の改悪に反対する署名集めのために、毎月街頭に立っていることは、本当に素晴らしいことです。

ぼくはこんな文章を書いているものの、実際に街に出て意思表示をした経験はそれほど多くありません。

回数は少ないものの、たとえば先日たまたま沖縄の那覇に行ったときにはこんな経験をしました。

沖縄では今、普天間基地の移転のため辺野古の海の埋め立て作業が進められています。

これに反対する県民の方々は、埋め立てを承認してしまった翁長県知事に対し、承認の取り消しを求めています。

そのため那覇市の県庁前広場にテントを張り、署名を集め、抗議の集会をしているところにぼくも参加させていただきました。

平日昼間の集会に集まっていた人は、20名ほどだったでしょうか。

道を行く人は、声をかけられると署名してくださる人も割合多いように思えましたが、街全体の雰囲気としては「一部の人が反対している」だけに過ぎず、街を歩く多くの人々は「当たり前のように無関心」で、沖縄だからといって基地反対の人が多数派ではない、というある意味当然の現実がありました。

集会の終わり頃になって右翼の宣伝カーがやってきて、大音量で脅しのセリフを喚き散らし始めました。

テントの撤収をする中、強烈な脅し文句を聞くのは気持ちのよいものではありません。

そのうち警察もやってきます。

右翼の人たちは三人ほどなのですが、PAの大音量や、資材を運び出す車に対しての体を張っての妨害などで「嫌がらせ」を続けます。

警察が間に入ってくれて、しばらく緊迫感をともなったせめぎ合いが続いたのちに、ようやく車は発進することができましたが、その間の緊張感は半端なものではありませんでした。

こうした経験はやや特殊なものではありますが、メディアによる報道や、SNSでの情報共有などでは得られない現場の空気をこうして味わうことは、街に出ることに大きな価値を与えてくれます。

ネットでも得られるさまざまな情報にアンテナを張って、みなさんも気軽に街に出てみてほしいと思います。

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民進党・枝野幸男氏の「安倍内閣不信任決議案の趣旨説明」で安倍政権の問題点が丸わかり

さて、わっとさんは集会の報告とともに民進党・枝野幸男氏の「安倍内閣不信任決議案の趣旨説明」の紹介をしています。

犬飼淳さんの記事
【文字起こし】3時間演説 立憲・枝野代表「安倍内閣不信任決議案」(2018年7月20日)|犬飼淳 / Jun Inukai|note
で枝野氏の演説の全文を読むことができます。

犬飼さんの記事から演説の要旨の図を引用します。

枝野氏の演説の要旨

2時間43分に渡って、安倍政権の問題点を十分に語っており、相当の長さがありますが一読の価値があります。

どの項目も大切な問題提起となっていますが、ぼくとしては、

  • 6. 行き詰まる外交、安全保障政策

のうちの「シビリアンコントロールの空洞化」に注目します。

自衛隊、防衛省の文書隠しや、現職の幹部自衛官の参議院議員に向かっての「お前は国民の敵だ」との暴言、稲田・前防衛大臣が事実上の更迭などなど、安倍政権における「軍隊がらみ」の問題にも枚挙にいとまがありません。

シビリアンコントロールの本来の意味である「軍隊に対する『民主的統制』」として、内閣や議会が自衛隊をしっかりと管理する必要があるのに、上に上げたような現状では、いざ自衛隊が「暴走」したときに、到底それにブレーキをかけられるとは思えません。

かつて我が国が大日本帝国だったときとは時代が違いますから、過去とまったく同じ過ちは繰り返されないかもしれませんが、平成が終わり、新しい元号が始まる私たちの今という時代が、新たな軍国主義の始まりにならないよう、十二分な注意が必要な段階に入っていることは間違いないものと思われます。

枝野氏の演説は、安倍政権の不信任案という形で述べられたものではありますが、これが一人安倍晋三氏の問題でないことも言うまでもありません。

自民党総裁の首が安倍首相以外の誰にすげ替えられたところで、問題の構図が変わることはほとんどありません。

もっと言ってしまえば、仮に民進党が政権を取ったところで、大幅な変化は期待できないのです。

(過去の民主党政権が、官僚の抵抗に遭い、十分に機能しえなかったことを思い出してみてください)

国家全体の持つ慣性の力、時代の大きな流れというものは、簡単に変えられるものではありません。

けれども、その変えがたい流れを変えるためにこそ、未来を見据えて粘り強い活動を続けていくことが必要です。

その不断の努力をするにあたって、今回の枝野氏の演説は一つの見取り図として、大きく役立つものだと言えましょう。

産業の軍事化を始め、きな臭い動きをするニッポンの今をしっかりと見つめて、長いスパンで日本の行く末を変えていくために、国民の一人ひとりの力が試される今という時代を、日々しっかりと生きていきたいものだと思います。

以上、長文を最後までご精読ありがとうございました。
それではみなさん、ナマステジーっ♬

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(いらすとやさんの画像を加工して利用させて頂いています)