(散文詩) いつも居心地の悪さを感じてた
間違った星に生まれてきちゃった人はいませんか。
何だか人の輪にうまく溶け込めなくて、
周りの空気から浮いちゃってるあなたのことですよ。
別の星に生まれてきちゃったんだから、
ちょっとさみしいのは仕方がないですね。
でもその分、得がたい経験ができますからね。
ほかの人たちとは違う、自分の存在を受け入れてやることです。
はだかの自分を丸ごと肯定しちゃえばいいんです。
違う星の人間なんだから、感じ方も考え方も違って当たり前、
少しでも共感できる部分があったら、
それこそ奇跡じゃないですか。
ぼくだっていつも、
居心地の悪さを感じてたんですよ。
でもあるとき気がついたんです。
居心地の悪さを感じてる自分を、
許してやればいいんだってことに。
うまくやれない自分を許して、認めて、抱きしめてやれば、
そんな自分が引き起こさざるをえない気まずい状況も、
明るく笑い飛ばすことができるんだってことに。
無理に周りに合わせる必要なんてないんです。
無理して合わせて疲れたら、その分休めばいいんです。
休んでばかりの人生で、なんのために生きてるのか分からなかったとしても、
がんばって生きてる自分に
「よくやってるじゃない!」
と声をかけてやりましょうよ。
今は生きてる意味が分からなくても、
何かがあなたを生かしているのですから、
その正体不明のエネルギーに身をまかせて、
見えない明日へと旅を続けましょうよ。
そうしていつの日かあなたは気づくことになるのです。
この星で暮らしているすべての存在が、実はみんなてんでんばらばらの星からやってきたまったく違うもの同士の寄り集まりだったってことに。
ほかの人たちもみんな、多かれ少なかれ合わせることに、
苦労して、くたびれていたってことに。
そのときあなたの居心地の悪さは消え失せて、
異なる者同士が作り出す共感の波長の中で、
ほんのり暖かい光に包まれている自分を見いだすのです。
☆あとがき
新型コロナの大騒ぎで、なんだか落ち着かない日々をお過ごしでしょうか。
世間は騒がしくても、桜はいつも通りきれいに咲いているようですね。
こちらインドでは、もう一週間近く外出制限が続いていますが、初めての事態にとまどう人々をよそに、ガンジス川はいつも通り滔々と流れ続けています。
どちらかと言うと人づき合いが苦手で、閉じこもっているほうが気楽なぼくとしては、外出制限も大して気にはならないのですが、この状況がいつまで続くかと考えると、少し気が重くなる気もします。
日本にいる皆さんも、先行きの見えなさでは同じことですよね。
分からない未来のことは、考えても仕方がないですから、文章を書いたり読んだりしながら、できるだけいつも通りに暮らしていきたいなと思う春の日の午後です。