「漫画版・警察官をクビになった話」の衝撃。新時代の漫画家ハルオサン誕生す!!
あれは2016年11月のことでした。*1

野生の天才児ハルオサンが、警察をクビになった体験談を引っさげて、はてな村からネット界へと、彗星のごとくデビューしたのは。

ブログの名前は「警察官クビになってからブログ」。

警察をクビになったエピソードだけでも十分衝撃的なのに、次から次へと繰り出されるブラック企業ネタ。

ハルオサンは、なんともアンハッピーな人生をネタとして、独特のユーモアと絵柄で読者を惹きつけたブログの内容に加筆・修正を加え、 2017年12月には KADOKAWA / 中経出版より

という書籍も出版されています。

この記事では、まず簡単に「ハルオサンとは何者なのか」を簡単にご紹介してから、

  • 「【漫画】警察官をクビになった話」のすごさ

についてお伝えしようと思います。

ハルオサンって一体ナニモノ!?

ハルオサンは自分が警察をクビになった話を書きたいがためにブログを始めました。

【漫画】警察官をクビになった話 - 警察官クビになってからブログ
を読んだ方はすでにお分かりの通り、彼は子どものころに脳の病気になり、手術をして一命を取り留めたため、「障害」があります。

ハルオサン自身はそれがどのような「障害」であるかは書いていませんが、いわゆる「発達障害」だと考えればおおむね間違いないでしょう。

「警察官になる」という子どものころからの夢を実現しようと18年間努力をして、せっかく警察官として採用されて警察学校に入ったのに、その「障害」のために最終的に警察をやめざるをえなくなるわけです。

ここで読者のみなさんに一つの疑問が浮かぶかもしれません。

  • そんな「障害」がある人が、こんなに上手に話を書けるものかな?

ハルオサンは、その文章も実に読ませますが、ヘタウマなイラストも絶妙のセンスで人の目と心を引きつけます。

そして、今度のとんでもない漫画です。

彼がブログを書き始めて間もないころ、「発達障害」についてよく知らず、「知能が遅れている」とか「能力が低い」とかいう先入観を持っている人の中には、

  • こんなものを「障害者」が書けるわけがない。やらせに違いない。

と決めつける人もいたくらいです。

けれども「発達障害」というものは、単純に「知能や能力が低い」というものではありません。

平均的な人が普通にできることができない一方、普通の人にはできないことが簡単にできてしまったりもするのです。

言ってみれば、「脳の使い方が違う」んですね。

ですから、警察学校では「人並みにできない」ハルオサンが、プロ並みに読ませる文章や漫画を書くことにも、まったく不思議はないことになります。

なお、ハルオサンの人生の詳細については、取るもの取り敢えず、彼のブログをご覧ください。

こちらの記事あたりから読むのがお勧めです。

クソみたいな人生をまとめてみた - 警察官クビになってからブログ

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「【漫画】警察官をクビになった話」はちょっと凄すぎるでしょう、ネット時代の「新しい波」が生まれたと思いますよ、こいつは!!!

【漫画】警察官をクビになった話 - 警察官クビになってからブログ
を読んだ方に、その描きっぷりの凄さをわざわざ言葉で書いて説明するなんて、まったく野暮なこととは承知の上で、以下気がついたことを書きます。

ハルオサンの超絶ヘタウマ画にしびれる。

ハルオサンの絵は、「うまい絵か?」と聞かれて、「えー、うまいです」と答えられるタイプの絵ではありませんよね。

これからもっと酷いことになるんだぞ?

(リンクによってハルオサンの画像を表示させていただいております)

でも、今まで見たことのあるヘタウマ画とは、一線を画す「うまさ」がそこにあります。

力強い太めの輪郭で人物を描き、細いさらっと描いた線で雰囲気を作る。

大胆な塗りつぶしと絶妙なデフォルメが、強力な心理効果を発揮します。

うまくはないのに、なんとも味がある、ヘタウマの上に「超絶」と被せたくなる所以です。

何なの、この色使い、こんなの他で見たことないよ!

今回の漫画で実にはっとさせられるのが、白黒をベースにしながら、要所要所に使われた原色を基調とした色付けです。

今までのブログ記事でもピンポイントの色付けに、独特の感性の鋭さを感じてはいましたが、今回は一面塗りつぶしも多用して (しかし決して乱用ではありません) 新しい心理効果を生んでいます。

こんなに見事な色使いをする作家は、他になかなかいないと思います。
(というか、こんな独特の色使いは他で見たことがないです)

天才としか言いようがありません。

間違えようがありません。

この人は天才です。

コ、コマが、大きくなったり、小さくなったり……、してるぞっ。

コマ割りも見事です。

スマホで見ることを意識して、1ページひとコマを多用、上下に二段割りも多いですが、三段割りは少なくなり、四段・五段はごく少数効果的に使われています。左右のコマ割りはあまりありません。

そして、1ページ分のコマ割りの全体が、大きくなったり、小さくなったりするんですよね。

最初、タブレットで最大サイズに拡大して読もうとしてて、「なんだこれは、読みづらいな」と思ったんですが、このコマ割りの全体が大きさを変えるのにも、超絶ヘタウマ画とあいまって、まったくユニークな味わいがあるのに気がつきました。

いやー、もうこれは、新時代の漫画家の誕生に間違いなしですよね。

歴史の転回点を目の当たりにする喜びに浮き浮きしすぎて、ニャンパラリン、空中三回転してしまいそうなわたしです。

これからのハルオサンの活躍が楽しみです。

彼のこれまでの人生の「結晶」といってもいい思いを、このような形で作品化してしまったのを見ると、ハルオサンはひょっとして、これ一作でペンを折ってしまうんじゃないだろうか、という予感が浮かんだりもします。

もしそうなったとしても、それはそれでいいと思うし、ハルオサンのことですから、これからも彼の独特の目で見たこの世界の様々な断面を、文章で、漫画でつづって、ぼくらを楽しませてくれるかもしれません。

ハルオサンのこれからの活躍に期待するとともに、彼の人生が幸せでいっぱいになることをお祈りして、この記事を締めたいと思います。

最後までご精読ありがとうございました。
それではみなさん、ナマステジーッ♬

☆なお、ハルオサンは自分のメッセージをストレートに読者に伝えたいということなのでしょう、ご自分のブログには広告などを一切貼っていません。

☆つまりページビューが何百万あっても、ぜんぜんお金につながらないんです。

☆そこで、「ハルオサンの作品が気に入って応援したい」という方は、ぜひ彼の本を買ってあげてください。エピソード自体はブログでも読めますが、加筆されてパワーアッブしてますので、まずブログで楽しんでから買うのも吉です。よろしくお願いしまーす。

※こちらはハルオサンについて以前書いた記事です。気が向いたらどうぞ。
ハルオサンが業者だと疑ってるキミは、脳みそを海水で洗ってから出直すべし!? あるいは「天然系・野生の天才」ハルオサンの衝撃 - *魂の次元*

*1:ホントは分かりません。ハルオサンのブログ記事の日付からの推測です。