クリント・イーストウッドの撮った「硫黄島からの手紙」をしばらく前に見た。硫黄島の戦いを日本人の視点から描いたものだ。


戦争の絶望的な局面を淡々と撮っていたように思い出す。
戦争の映画だから、淡々、と言っても激しい感情表現がたくさんあるわけだけれど。日本の人が撮ったら、もっと大袈裟になりそうだな、と。


一年ほど前これを見たときは、どんな気持ちでこれを撮ったのかなとちょっと不思議に思った。
けれど今思うのは、この映画は鎮魂の映画なんだろうな、ということ。


アメリカの人も日本の人も必死で戦った。戦場にいる以上、戦う以外なかった。そして多くの人が死んだ。


そのことについての鎮魂の物語が六十年の歳月が流れてからようやく語られることになる。


その年月の重みに想いを巡らせてみよう。