「神は細部に宿る」という言い回しがあります。
「何をやるにしても細部をおろそかにしてはいけない」という意味の警句ですね。
英語ではこれをもじって「悪魔は細部に潜む」とも言うようです。
「神」と「悪魔」では180度方向性が変わってきますが、「細部が大切」という意味は一緒です。
どうして「神」が「悪魔」に入れ替わってしまったのか、英語の勉強がてら、少しばかりネット上で調べてみました。
「神は細部に宿る」の語源はフロベール? そして「金食い虫」の神さま。 21世紀、悪魔が細部に潜む時代がやってきた。 クリエイターのみなさんに向けて、この記事の教訓を一言。 「神は細部に宿る」の語源はフロベール? そして「金食い虫」の神さま。 「神は細部に宿る」という言い回しは、もともとヨーロッパの言葉から翻訳されたもので、その大本の形は、
善き神は細部に宿る "Le bon Dieu est dans le détail" (英語では "the good God is in the detail") というもので、「ボヴァリー夫人」で知られるフランスの作家、フロベール(1821-1880)の言葉とされています。*1
これをドイツの美術史家アビ・ヴァールブルグ(1866-1929)が
「われわれは、おのれをそこに見出すところの自分の無知を探索し、打ち倒さなければならない。神は細部に宿りたまう」 "Der liebe Gott steckt in Detail." というモットーとして使ったことから世間に広まります。
そして、 20世紀のモダニズム建築を代表するドイツ出身の建築家であり、第二次大戦後はアメリカで活躍したルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886–1969) が標語として使ったことで、世界的に広まったもののようです。
ミース・ファン・デル・ローエが1951年にアメリカのイリノイ州に建てたファンズワース邸は、四面をガラスで囲んだ内部空間に、キッチン・浴室・トイレを収めたコアがあるだけという「合理主義」的建築で、コアを取り巻くゲスト用スペースはまったく区切られておらず、また内部には柱がないため、完全なワンルーム構造とのこと。
(画像は「スケッチズム」さんから拝借)
外壁を兼ねるガラスの外側に垂直に配置された8本のI型鋼が、床と屋根を支えています。
8本のI型鋼は組立後、研磨されてさらに白く塗装されるなど、《ファンズワース邸》は工業製品を使用しながらも一品生産品以上に建設コストがかかっており、予算超過による訴訟事件が起こされたことでも有名である。
《ファンズワース邸》artscape.jp どうやら細部に神を宿すためには、「お金がいくらあっても足りなかった」ようです。
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