meduium.com で知り合った「鰯」さんのこの記事、
・明治150年? – 岩下 啓亮 – Medium
ちょっと興味深く思ったので、今回はその話。
ニッポンの総天然色全体主義について書こうと思ったのですが、まとまってません(笑)。
鰯さんの記事によると、内閣官房「明治150年」関連施策推進室からの貼付依頼で、「明治150年」のポスターがやってきて、何枚貼ったか実績を報告するように、と通達文書に記してあるんだそうで。
鰯さんは、
単純に戦前回帰とは言いたくありませんが、なんとも強圧的な周知徹底ぶりではありませんか。
と書くのですが、これって多分町内会とかのレベルで「貼りなさい」そして「どれだけ貼ったか報告しなさい」って話ですよね。
鰯さんは東京ぐらしの経験がある人だから、「これって変じゃない?」って思うわけだけど、地方の「因習的日本」しか知らない人だったら、たぶん、何も考えずに貼りだしちゃうんでしょうかね。
安倍総理に代表される今のニッポンが、明治以来の近代化を誇りたがる気持ちは、まあ、分かるのですが、それってちょっと間違えれば、
「戦前のニッポンは正しくて、戦後の民主主義は間違ってた」
みたいな話に簡単に捻じ曲げられちゃうとことだと思います。
「戦後の民主主義」に行き過ぎや間違いは、確かにあったでしょう。
でも、それと、
「戦後の民主主義は全部間違い、戦前に回帰するのが最高」
というのは、また別の話で。
今の日本の政治状況って、ものすごい「右旋回」をしているのに、多数派の人は、そういうことに無頓着なところで、なんだか分からないままに、「まー、そんなもんかなー」と日本的に流してる気がするんですよね。
でも、そういう状況に、「なんかちょっとおかしくない?」と思っている方々も、少数かもしれないけれど、若老女男問わずいらっしゃるはずで、まーぼくとしては、そういうみなさまに対して、
「それ、合ってます。今の状況はかなりおかしいです」
と、主観にもとづいて伝えるだけのことなんです。
「今の状況がほんとにおかしいかどうか」ってことは、
これは、後世の人が判断するしかないことですからね。
とまあ、そんな話で、いまいちまとまりがつきませんけれど、今の「この日本の状況」に何か感じてらっしゃるみなさんにつきましては、「うーーーむ」という「気」だけでもかまいませんので、気持ちをおさえずに周りにちゃんと発してもらって、この時代の大きな流れを、ちっとでも変える方向で、「行動」していただけたらなぁー、みたいに思うわけなのでした。
てなことで、この記事はおしまいです。
ではまた、ナマステジーっ♬
wired.jp にこんな記事が出ていたました。
・悲鳴にゾッとするのは「甲高いから」ではなかった──米研究結果で判明した「絶叫のメカニズム」|WIRED.jp
ここで取り上げられている研究は二年前のもので、どうして今これを記事にしたのか不思議なのですが、ちょっとおもしろい内容なので紹介します。
甲高くて大声なら悲鳴? 音量のばらつき、ラフネスが悲鳴を決める 悲鳴の「ラフネス」が恐怖の中枢「扁桃体」を乗っ取る 「扁桃体」の過度の乗っ取りにはご用心 甲高くて大声なら悲鳴? 音量のばらつき、ラフネスが悲鳴を決める ニューヨーク大学教授で、神経科学者のデヴィッド・ペッペル(David Poeppel) さんは、15年もの長きに渡って、「恐怖による叫び声」の研究を行なってきました。
彼は同僚と共に、インターネットを隅々まで検索し、悲鳴のデータを集め、また、実際に人々を研究所に招いて悲鳴を上げてもらう、といった方法も使って「悲鳴データベース」を作り上げました。
当初、「悲鳴」を特徴づけるのは、「大声であること」や「甲高いこと」ではないかと考えましたが、実際にこの「悲鳴データベース」を音声分析した結果、悲鳴の特徴は「音量」や「音の高さ」によるものではなく「粗さ=ラフネス roughness」によるものであることが分かりました。
ラフネスは、音の大きさの変動率を意味します。
つまり「ただ大きい」のではなく、「大きくなったり小さくなったりする」ことが、人の注意を引くためには必要だということです。
普通の会話では、音の変動率は一秒あたり 4 - 5 倍程度なのに、悲鳴の場合は 30 - 150 倍にも及ぶとのことです。
悲鳴の「ラフネス」が恐怖の中枢「扁桃体」を乗っ取る ちなみに、この「ラフネス」が関係するのは、人の発する「悲鳴」には限りません。
救急車のサイレンや、家庭内のアラームなどにも同じ特徴があり、それによって人の注意を引くという役割を果たしているのです。
そして、この研究で、たいへん興味深いところは、こうした「ラフネス」で特徴づけられる音が、人間の脳の中でも「恐れ」といった感情の処理に関わる「扁桃体」という部位を活性化させたという事実です。
(ラフネスが大きいほど、扁桃体の活性化の度合いも大きくなります)
「扁桃体」が活性化されることによって、「緊急事態」用のシステムのスイッチが入ると、動物の場合は「攻撃か逃避か」といった行動をとることが知られています。
人間は、普段は比較的「理性」的に行動していますが、「扁桃体」が活性化すると「感情」優位の行動になることから、これを「扁桃体」による「乗っ取り=ハイジャック」と言ったりもします。
この研究によって、「悲鳴」というものが、この「乗っ取り」に関わるスイッチの役割を果たしていることが、実験的に確かめられたわけです。
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「扁桃体」の過度の乗っ取りにはご用心 目覚ましのアラームが「扁桃体」を刺激してくれるおかげで、毎朝遅刻をせずに、学校や会社に行けるのは助かりますが、社会生活の中で無闇に「扁桃体」に乗っ取られ続けていては、落ち着いた行動が取れなくなってしまいます。
「悲鳴」のような特殊な音のパターンだけでなく、ちょっとした音でも気になって集中力がそこなわれるようなことって、ありますよね。
毎日よく寝て、週末にはゆっくり休んだり、気分転換をしたりして、生活が健康的に回っていればいいのですが、なんだか「妙に音が気になって集中できない」とか「テレビの音がやけに頭に突き刺さってくる」みたいなことが、もしもあったら、日頃のストレスが積もり積もって「扁桃体の乗っ取り」が恒常化しているおそれがあります。
そんなときは、しっかり休みを取るのが一番です。
無理をせず、自分を十分いたわってあげてください。
ネット通販の覇者アマゾンに「欲しいものリスト」というのがあるのは知っていたのですが、自分では使ったことがありませんでした。
自分の「欲しいものリスト」を公開しても、誰も何も送ってくれない気がしたし、自分から誰かに何かを贈るような、社交性のある人間でもなかったからです。
でも、ふと気まぐれで、ある方の「欲しいものリスト」をのぞいてみたら、「あー、ちょっとこの人に贈ってみようかなー」って気になったんです。
この記事では、その顛末などを少し書いてみます。
・[:title]
ほしいけれど、ちょっと高くて手が届かないもの 昼飯を抜いてSFの文庫本を買っていた高校生のころ ネット上で「もの」を介して人とつながることの楽しさ ほしいけれど、ちょっと高くて手が届かないもの みなさんは、
あれ、ほしいんだけど、ちょっと高いから、手が出ないんだよなー、 みたいな品物ってありますか?
ぼくは、物欲は放り捨てる方向で生きているので、今はあんまりそういうのはないんですけど、若いころは、小さなものがいろいろあったような気がします。
それで、わっとさんの記事を通して、たまたま知った反航路さんという方が、アマゾンの「欲しいものリスト」に、
日本料理 野菜調理ハンドブック: 基本の下処理・切り方・味つけ
作者: 奥田高光
出版社/メーカー: 柴田書店
発売日: 2016/07/28
という本を載せてらしたんですよ。
ちょっと高い本だから手元には置けないけれど、図書館から借りてきてよく眺めている、みたいなことが書いてあって。
そもそも、わっとさんが紹介していた反航路さんの記事はどんなものだったか、というと、
反航路さんは本屋でバイトをしている 店長が最低賃金を守ってくれない 店長とメイルでやりとりをしたが埒が明かない というような内容でした。
そこには、反航路さんは、店長に恩があるので、事を荒立てたくはないのだけれど、最低賃金を守ってもらうためには、間に人を立てたりするべきなのだろうか、と悩む心情がつづられていました。
時給の差額としては、何十円の話ではありますが、額の多寡ではなく、「守るべき法律はちゃんと守ってほしい」というこの話と、さきほどの料理の本が「ほしいけど、高くて買えない」という話が合わさったとき、
「あっ、この本、買ってあげよう」
って、すっと思ったんですよね。
それはなんか、若くてお金がなかったころの自分に、プレゼントするような、そんな気持ちだったんです。
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昼飯を抜いてSFの文庫本を買っていた高校生のころ ぼくが高校生だったころ、1980年代のはじめのことになりますが、お昼代として 300 円もらっていました。
そして、昼飯は食わずにひもじい思いをしながら、当時熱中していたSFの文庫本などの購入資金にあてていたものです。
単行本は高くてなかなか手が出なかったですね。
しばらく前の medium.com にこういう記事が載っていました。
・The Myth of Independent Thought – The Polymath Project – Medium
直訳すると「独立思考の神話」というような意味ですが、「他の人に一切頼らないで考えることはできないよね」みたいな話です。
学校教育では、なんでもかんでも「自分で考えなさい」みたいに押しつけられますので、
うまく考えられない人は、自分がだめな人間になったような気がしますし、 上手に考えられる人は、自分ができる人間になったような勘違いをしたりする わけですが、ほんとにそんなふうに考えてて大丈夫なのかな? というおもしろい視点を提供してくれる話だと思うので、その内容を紹介するとともに、ぼくたちがどんなふうにすれば「集合知」を使いこなすことができるかを少し考えてみましょう。
地球は丸いってほんとに知ってますか? 自分だけで考えられる人なんて、どこにもいません あなたにとって「真実」って何? 自分の道を歩いてますか? 地球は丸いってほんとに知ってますか? ぼくたちは学校で教わったり、テレビやネットで見聞きしたり、たくさんのことを知っているわけですが、「知っている」という言葉は、実際のところどんなことを意味してると思いますか?
そんなことを突然聞かれても答えに詰まるかもしれませんね。
そこで質問です。
あなたは、地球は丸いってほんとうに知ってますか?
頭のいいあなたは、いろいろな状況証拠をあげて、だから「地球は丸いはずだ」ということができるかもしれません。
でも、だからって「地球は丸い」と知ってると言えますかね。
「確かに丸い」っていう実感はありますか?
サッカーのボールだったら、「丸い」のを知ってますよね。
それと同じ意味で「地球は丸い」っていう実感がありますかね?
千人に一人か、一万人に一人かは、「地球は丸い」って実感を持っている人もいるかもしれないとは思うのですけど、普通の人は、「地球は丸い」はずだって思ってるだけで、「知っている」はずのことでも、実際には「信じている」にすぎなかったりするわけです。
頭のいい科学者の人や、自分が信頼できる多くの人が「地球は丸い」と言っているから、あなたは自分も「地球は丸い」と信じることにしたのです。
自分は知らないのに、人を信じて知っていることにする。
これが「集合知」の一つの働きです。
そんなふうにしてあなたは、さまざまな「集合知」に頼って生きているわけで、それは人間が言葉を使う社会的な生き物である以上、当たり前のことなんですね。
というわけで、集合知を使いこなすための一つ目のポイントは、
あなたはすでに「集合知」を使いこなしている、 「集合知」なんて特別なものじゃない、 ということなのでした。
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日本のみなさん、こんにちわー。
「景気は回復している」とニュースでは言っているのに、賃上げとしては反映されず、その実感もないまま年末の日々を過ごしていらっしゃることでしょうか。
ぼくはどっちかというと経済音痴ですが、海外暮らしが長いので、円の為替の動向には少しばかり興味があります。
それで、前々から
どうして円安と株高はセットになっているのか ということが気になっていたんですね。
この疑問に納得のいく解答が得られたので、今日はそこのところをみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
なお、結論は、
海外投資家が円を借りて、株を買うから。 その結果、円安になると輸出型の日本企業にとって好都合だから。 ということになります。
なぜ円は安くなる? それは円をじゃぶじゃぶ供給するから 好況になれば株は高くなる。株が高くなれば円も高くなる......はず なぜ円安になるのか - 海外投資家の円の調達法とその使い方 輸出型企業にも蝶都合のいい円安株高 - だけど、その行く末は? なぜ円は安くなる? それは円をじゃぶじゃぶ供給するから 景気が悪いときには、ふつう日銀は金融を緩和します。
金融緩和というのは、通貨量を増やすことで、つまりは円を増やすことです。
増えたお金を
企業が借り、 事業を拡大し、 賃金は上がって、 消費者は物を買い、 景気がよくなる という図式です。
このとき、供給された円を使ってドルを買う人がいれば、ドル高円安になります。
好況になれば株は高くなる。株が高くなれば円も高くなる......はず 円が増えて、景気がよくなれば、日本企業の株を買う人も増えます。株価は上がります。
このとき、「日本の株を買う人」の中には、当然「海外の投資家」もいます。
海外投資家の中には、短期的な利益を狙うヘッジファンドもあれば、中期的な利益を求めるファンドもあり、また、長期的で安定的な利益を目指す公的年金などの投資家もあります。
こうした海外投資家が日本株を買うことで、株高に弾みがつき、また安定した株高が維持されることになります。
このとき、海外投資家は株を買うために円を買うことになります。
すると、円の需要が高まるわけですから、円高になります。
つまり、好況になれば、結果的に「円高株高」になるはずです。
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なぜ円安になるのか - 海外投資家の円の調達法とその使い方 1980 年代の泡ぶく経済(バブル)の時代を経験しているぼくとしては、「あの頃は円高で株高だったよなー」と素朴に思い、どうして今は「円安と株高」がセットになるのか、不思議な気がしましたし、以上のように考えても、「円安」は出てきません。
わっと(id:watto)さんが、
・有能な社員を正当に評価しなかった会社症候群コレクション - しいたげられたしいたけ
という記事を書いています。
日本を離れ、遠いインドから見ていても、日本の経済状況や労働環境の悪さは察せられます。
わっとさんが紹介している件について、少し感想を書くとともに、日本の労働環境についても思うところをほんの少し記します。
社員一人の休職で職場はボロボロ - 中小企業の厳しい労働環境 最低賃金を守らない店長 有給休暇の取れない国ニッポン 社員一人の休職で職場はボロボロ - 中小企業の厳しい労働環境 碧乃あか男(id:mraka2015)さんが
・休職中の会社の現状が悲惨な事になっている - 新・ぜんそく力な日常
という記事で、休職中のご自分の会社について書いています。
あか男さんは、会社の担当部門で、ほかに代わりがいないくらい優秀な技術の持ち主で、製品の製造や品質管理を任せられていました。
しばらく前に体調を崩し、持病の喘息が再発しましたが、休むと会社に迷惑がかかると思い、無理をして働きました。
その無理がたたり、喘息が悪化。休職せざるを得なくなり、現在休職九ヶ月目。
その結果、職場は
製品の品質がガタ落ち 仕上げ加工に時間がかかる 出荷した製品をさらに営業が手直しする 出荷してもお客さんの方で不良品として返品される 営業が仕事を取って来れない 職場内、苛立ちでパワハラが頻繁に起きている といった悪循環で、悲惨な状況になっているというのです。
そんな中、あか男さんは、
退職も考えていた会社ですが、こんな状況になりながらも、僕のことを治療に専念させてくれているので、なんとか治して、もう一度会社で頑張ろうかとも思っています。
というのですから、ほんとうに立派な方だと思います。
しかしながら、ここまで状況が悪化してしまうと、立て直しにはそれなりのお膳立てが必要にも思えます。
経営者の大胆な判断がものをいう局面かもしれませんし、個人の努力だけではどうにもならない場合もあります。
あか男さんの「もう一度会社で」という気持ちは、素直に応援しますが、ご自分の体調を第一に考え、無理をなさらないようにと、老婆心ながら一言そえさせていただきます。
最低賃金を守らない店長 反航路 (id:giveus)さんのこちらの記事では、「バイト先の店長さんが最低賃金を守ってくれないので、やんわりメイルで伝えるが、埒が明かない」模様がつづられています。
・アルバイト 月末は給料を払うのが雇用者の一番注力すべき仕事でせう。 - いのちばっかりさ
反航路さんのバイト先は、書店を経営する小さな株式会社。経営が厳しいので賃金を少しでも低くしたいのでしょう。完全に確信犯です。
メイルのやりとりだけで、最低賃金との差額の要求を認めてもらうことはかなり難しいと思われます。
わっとさんもおっしゃる通り「ブラックバイトユニオンに相談して人を介す」などの対策を思い切ってするべきではないでしょうか。
そうすれば一発で解決です。
これはまったく「正当な権利」の主張ですから、遠慮する必要はないんですよね。
こうした「権利の主張」で「店長が気分を害する」かもしれませんが、それは相手の問題。
その結果、仕事がしづらくなるのなら、そういう職場はやめたほうがいいということではないでしょうか。
ある意味「人柱」にもなりかねないわけですが、こういう勇気を持った人が出てこないと、結局日本の労働環境は変わりません。
初めての場合は特に、勇気がいるところだとは思いますが、思い切って一歩を踏み出すことで、社会を変えていきたいじゃありませんか。
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みなさん、こんにちわー。
ほとんどペーパー日本語教師のとし兵衛です。
今回は、しんさんのこちらの記事
・日本語の助詞「は」と「が」の違いは小学生でも理解できるシンプルな一文で違いを説明できる。日本語教師を長年悩ませてきた問題に終止符を打つ。 - SINLOG
が、おもしろかったので、この話題に相乗りさせてもらいます。
日本人なら何気なく使っている「は」と「が」ですが...... 「が」は前が焦点、「は」は後ろが焦点 どこまで説明できるか考えてみよう その他の問題 「質問がありません」否定形の場合 対比の「は」 新しい対象と既知の対象、"a" と "the" 国文法、三上文法、日本語教授法についてちらりと 日本人なら何気なく使っている「は」と「が」ですが...... みなさんは、学校でならった国語の文法なんて憶えてますかね?
「は」は係助詞で、「が」は格助詞とかいうんですが、そんなこと憶えてなくても日本語くらい普通に使えますから、どうでもいい話ですね、はっきりいって。
外国の方が日本語を勉強する場合は、ぼくたちが学校で習う「国文法」とは違う「日本語文法」を使うので、係助詞とか格助詞とかいう言葉は出てこないんですが、たとえば、どうしてもひっかかるところといえば、
「は」と「が」の使い分け です。
マーク・ピーターセン氏の「続・日本人の英語」(1990 岩波新書)*1に、氏が日本語を勉強しているとき、先生が「は」と「が」の使い分けに厳しく、「雨は降る」と書くと「雨が降る」だと正してくる、というエピソードがあります。
ピーターセンさんは、「どうして『は』はだめで『が』なのか?」と聞くのですが、先生は「だめなものは、だめだ」と怒るだけ。
あるときピーターセンさんはアダモの「雪は降る」を聞いて、次の授業で先生をやっつけます。
「雪は降る。あなたは来ない」って歌ってるじゃないかって。
というわけで、一筋縄では説明ができない「は」と「が」の使い分けなのですが、しんさんの記事にあった説明がなかなかのすぐれものでしたので、まずはそれをご紹介しましょう。
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「が」は前が焦点、「は」は後ろが焦点 先に上げた記事で、しんさんがシンガポールの優秀な日本語学習者に教わったという「は」と「が」の使い分けの説明は、
「は」は「は」の直後が主題で「が」は「が」の直前が主題である。
というものです。
「主題」という言葉は日本語の文法においては、助詞「は」の機能を表すのに使われますから、この記事では「焦点」という言葉を使うことにして、
「が」は前が焦点、「は」は後ろが焦点 ということにしましょう。
すると、
雪が降る は、「が」の前の、今眼の前で「何」が降っているのかというところに話題の焦点が当たっていますから、「が」でいいことになりますし、
雪は降る、あなたは来ない の場合は、雪は「降って、私のところに来る」のに、あなたは「来ない」という意味で、「は」の後ろの「降る」に焦点が当たっていると説明できるわけです。
みなさんは犬と一緒に暮らしてますか、暮らしたことがありますか?
ぼくの場合、子どものころは家に犬がいたんですけど、大人になってからはよその犬と遊ぶくらいなんですが、この記事では
犬と一緒の生活が「心筋梗塞や脳梗塞を減らす」かもしれない という(白犬だけに*1 )おもしろい研究を紹介しようと思います。
一人暮らしの人が犬を飼えば、心血管疾患で死亡する可能性が36%も下がる!? 犬を飼う人は、「生活が健康的」である 犬を飼う人は、犬との交流のおかげで「ストレスが低くなる」 犬が持っている雑菌が「人間の健康」に役立っている!? まずは、ちょっと意外な「衛生仮説」について 「雑菌」が「心血管疾患を減らす」可能性は? 一人暮らしの人が犬を飼えば、心血管疾患で死亡する可能性が36%も下がる!? この研究は、スウェーデンのデータを使ってなされたものですが、12年の期間に渡る340万人ものデータを分析した結果得られたものです。
(参照記事: Owning a dog cuts risk of heart attacks and other fatal diseases, study shows | Science | The Guardian、
参照論文: Dog ownership and the risk of cardiovascular disease and death – a nationwide cohort study | Scientific Reports)
そして分かったのは、一人暮らしの人のうち、犬を飼っている人は、飼っていない人に対して、
心臓や血管の病気で亡くなるリスクが36%も低い、 ということなんです。
家族と一緒に住んでいる人の場合でも、
犬を飼っている人のほうが 15% はリスクが低い、 とのことですから、ワンちゃんが家族の一員であるあなたにとっては、なんとも「ハッピー」で「ラッキー」な研究ではありませんか。
ここで一つ注意してほしいことは、この研究から言えることは、
犬を飼っている人は、心血管疾患のリスクが低い、 ということであって、
犬を飼えば、心血管疾患のリスクが下がるとは言えない、 ということです。
ここではそのことについて詳しい説明はしませんので、興味がある方には、
・相関関係と因果関係の違いが一発でわかる具体例5選 | アタリマエ!

みなさんは音楽を聴いて、鳥肌が立ったり、ぞくぞくしたり、涙が流れたりした経験はありますか。
こうした音楽を聴くことで、感情が刺激されて、体にまで反応が現れることは、多くの人が体験することですが、人によってずいぶん感受性に違いがあるようです。
アメリカで 2016 年 3 月に発表された研究によると、この感受性の違いは、
脳内の音を処理する部分から
感情や報酬を処理する部分への
神経線維のつながりの「太さ」
によって決まってくるのだといいます。
それでは、もう少し詳しく、この研究の内容をみてみましょう。
研究の対象者は、こうして決められました そして、実際の実験はこんな感じです。 音楽によって「鳥肌が立つ」人は、音の知覚部から感情・報酬部への神経接続が「太い」 好きな曲を聴くだけでいつでも「鳥肌が立つ」人はどのくらいいるの? 音楽サイト fnmnl.tv の「音楽を聴いて鳥肌が立つのは特殊な脳の構造を持つ人だけ」という誤報について 研究の対象者は、こうして決められました この研究では、まず 237人の対象者について、心理特性や音楽に対する好みや反応などをオンラインで調査しました。
そして、この調査のうち、音楽を聴くと「鳥肌が立つ」特性を示す 7 点満点のポイントが、
6 - 7 点の人物 10 人を「鳥肌」の対象者として、 1 - 2 点の人物 10 人を「非鳥肌」の対象者として、 選び、実際の研究を行なったのです。
なお、実際には「鳥肌」の対象者はもう 5 人選ばれましたが、実験中に「鳥肌」体験を報告できなかったため、解析データには含めなかったということです。
そして、実際の実験はこんな感じです。 実験では、「鳥肌」の人にも「非鳥肌」の人にも、自分の「好きな曲」と、特に好きではない「中立の曲」を聴いてもらいました。
そして、曲を聴いている間に、リアルタイムで自分の感覚を報告してもらいます。
報告する感覚の内容は、「毛が逆立つ」「胸がどきどきする」といった体に感じる具体的な感覚から、「時間の感覚がなくなる」「没頭する」といった抽象的なものまで、15 の項目です。
同時に被験者の心拍の速さと皮膚伝導度も測ります。
また、MRI スキャナーによって被験者の脳をスキャンします。
以上によって実験のデータが得られました。
結果はどうでしょうか?
音楽によって「鳥肌が立つ」人は、音の知覚部から感情・報酬部への神経接続が「太い」 「鳥肌」の人は、好きな曲を聴いているときには、皮膚伝導度も心拍数も高くなり、その高まりは、本人の「鳥肌感」の報告と一致しました。
「非鳥肌」の人は、好きな曲を聴いているとき、皮膚伝導度はある程度高まるのに、心拍数は高まりませんでした。そして「鳥肌感」の報告は、ほとんどないか、まったくありませんでした。
そして、音楽の練習をした年数が長い人ほど、「鳥肌」を感じる割合が高くなる傾向が見られました。
また、MRI スキャンによる脳の解析では、
音を処理する部位である上側頭回後部から、
感情と報酬を処理する部位である前部島皮質と前頭前皮質内側部への
神経線維の接続の「太さ」を示す灰白質の容積が、「鳥肌」グループのほうが大きいことが確かめられました。
このとき、灰白質の容積が大きいほど、「鳥肌」を感じやすい傾向も確かめられました。
音楽を長く練習した人ほど「鳥肌」を感じやすいことと合わせて考えると、音楽を練習することで灰白質が増加して「鳥肌」を感じやすくなる可能性もありますね。
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みなさんは、狼に育てられた少女「アマラとカマラ」の話をご存知ですか。
学校の道徳の教科書にも載っているらしいし、ちょっと興味を惹かれる話ですから、知ってる人も多いんじゃないかな。
でも、この「狼に育てられた」っていう話は、どうやらお金目当てで「でっち上げられた」話だったようなんです。
この話がどうして世間に広まったか、そして今でも実話と思っている人がなぜ多いのか、ちょっと考えてみることにします。
アマラとカマラは実在するけど、狼が育てたわけじゃないみたい 「狼に育てられた子ども」という神話は、なぜ「魅力的」なのか 信じる人がいるのはいいけど、教育で使われるのはおかしくない? アマラとカマラは実在するけど、狼が育てたわけじゃないみたい アマラとカマラは1920年にインドの西ベンガル州ミドナプルで保護された二人の少女です。
ミドナプルで妻とともに孤児院を運営するジョセフ・アムリート・ラル・シン(Joseph Amrito Lal Singh )牧師*1によって二人は保護されました。
二人は、狼の巣穴となったシロアリ塚の中から保護され、言葉は話さず、四つ足で狼のように振舞ったのだといいます。
そして、シン牧師は、この二人の「狼に育てられた少女」との、十年近くに渡る日々をつづった日記を出版します。
・J-L-シング「野生児の記録 1 - 狼に育てられた子」
ここに書かれた内容が事実であれば、動物に育てられた「野生児」が人間の社会に戻る過程が描かれた貴重な記録ということになります。
けれども、この本の信ぴょう性は多くの学者から疑われ、スキャンダルに発展します。
日本においても、
狼は人間の子どもに授乳できない 人間の子どもは狼の群れの行動についていけない 暗闇で目が光る、犬歯が異常に発達しているなど、 生物学的にあり得ない記述が多々ある などの理由から、日記の内容を疑問視する声があります。*2
また、シン牧師の日記に「お墨付き」を与え、"Wolf-Children and Feral Man (狼に育てられた子どもと野生児)" という本をシン牧師と共著で出版したロバート・ジング教授は、シン牧師の記述をきちんと検証しなかったことから、デンバー大学の教授職を失うことになってしまいました。
*3
ジング教授が、「日記」の金銭的価値をシン牧師に強調してその共同出版を持ちかけ、孤児院のために資金が必要だったシン牧師が出版後に500ドルの印税を受け取った事実も報告されています。
*4
こうした「証拠」は他にもいろいろあるのですが、それでもこの話を実話と受け止める人は、英語圏を含め今も多いようです。
けれども素直に考えれば、シン牧師の日記はノンフィクションとは言いがたい、多分に誇張がなされた「フィクション」ということになりそうです。
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「狼に育てられた子ども」という神話は、なぜ「魅力的」なのか シン牧師の日記はおおむね「フィクション」であると考えられるのに、今でもそれを「実話」と考える人がたくさんいます。