*魂の次元* (by としべえ)

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100万PVのための錯覚資産入門 - 「一貫して偏ったストーリー」を語ることはなぜ大切なのか?

はてな村の通好みブログ「分裂勘違い君劇場」から生まれたふろむださんの初の著書
「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている」
ですが、8月に発売されて以来、早々に9万部を売り、9月16日には林修先生のテレビ番組「初耳学」でも取り上げられて、さらに人気に拍車がかかっている模様です。

ふろむださんは、実力だけにこだわらず、学歴・肩書き・職歴などの「錯覚資産」を上手に使うことが「人生における成功」のためには大きく物を言うのだと主張しているのですが、同時に

  • 「一貫して偏ったストーリー」を語ること

の重要性も述べています。

この記事では、ネット上で情報を発信しているあなたのために、

  • 「一貫して偏ったストーリー」を語るとは、どういうことなのか、
  • なぜそれが大切なのか、

を見ていくことにしましょう。

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「一貫して偏ったストーリー」を語るとは、「メリットならメリットをしっかり伝える」ということ

「一貫して偏ったストーリー」を語るというのは、話題にしていることがらについて、

  • メリットを伝えたいなら、メリットについてきちんと述べて、読者にデメリットなどの不安材料を与えるな、

ということです。

商品を広告するための宣伝文句がどんなふうに書かれているかを考えれば、当たり前すぎる話ですよね。

自社の新型自動車を売りたいとき、その自動車の広告にわざわざその自動車のデメリットを盛り込むわけがありません。

どうしてこんな当たり前の話をするかというと、広告の作り手はこうした人間心理を知り尽くしていますから、あえて自分に不利な情報は出さないようにしっかり注意するわけです。

けれども、わたしたちが話したり、文章を書いたりするときには、事実をできるだけ正確に伝えるために、メリットもデメリットも両方を客観的に伝えることが「正しい態度である」と考えられがちです。

たとえばあなたが上司に仕事の進捗状況を伝えるときに、うまくいっている点だけ伝えて、うまくいっていない点については伝えないとしたら、上司からの評価は下がってしまうでしょう。

こういう場面では「偏ったストーリー」にメリットはありません。

とすればあなたは、

  • 「偏ったストーリー」はよくないものだ、

という先入観を無意識のうちに持ってしまっているのではないでしょうか?

錯覚資産の観点から言うと、その先入観は落としたほうがいいということになります。

ふろむださんが言うのは、

  • ネットなどで多数の読者の支持を得て、錯覚資産を増やしたければ、「一貫して偏ったストーリー」を語れ、

ということです。

たとえば、この記事では「錯覚資産」について書いているわけですが、「錯覚資産」のメリットを書くことに集中し、デメリットについて触れる場合は「読者が思いつくようなデメリットは心配しないでいいですよ」というふうにメリットとして受け取れるように書けばいい、ということです。

そうやって「錯覚資産」のメリットについて、十分に説明を読んで納得した読者は、

  • 「錯覚資産」には確かに価値がある、

と信じてくれるようになります。

そうすれば、この記事全体の信頼度が上がり、ひいてはこのブログ全体の信頼度や、ブログを書いている筆者の信頼度も上がり、読者増にもつながり、錯覚資産が増大していく、というわけです。

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そんな広告みたいなやり方で本当にうまくいくの?

もちろん、上に書いたような内容を鵜呑みにして、この記事の内容を丸ごと信じてくれるような素朴な方は、多分あまりいらっしゃらないでしょう。

この記事を読んでくださっているみなさんは、十分に知的であり、「健全な疑い」をお持ちの方に違いないからです。

「一貫して偏ったストーリー」はいわゆる「ブレない」こととも重なりますから、「営業用の顔」としては「誰にでも分かりやすいストーリー」を狙うのが多数派の戦略としては「直球ど真ん中」の選択肢となるでしょう。

この「分かりやすさ」の中には、あえて「悪役」を引き受け、アンチと対決するような姿勢も含まれます。

人を動かすためには、

「シンプルでわかりやすいこと」を、それが真実であるかのように言い切ってしまえ。本当は断定できないことを、断定してしまえ。

とふろむださんは言い切ります。

それが「あなたの主張に錯覚の魔力を宿す」ための秘密だと言うのです。

けれども、ふろむださんの主張する「一貫して偏ったストーリー」というのは、

  • 分かりやすいけれど薄っぺらの「コピー的宣伝ストーリー」のことではありません

むしろ「健全な疑い」を持つみなさんを「煙に巻く」ような複雑な装いすら持ったものです。

ふろむださんは、なにかを主張するときは、「一貫して偏ったストーリー」を語ることが大切だが、それは真実の一面しか表していないのだから、自分でそれを信じ込んではいけない、自分の人生の判断のためには

  • 物事をきちんと両面から見ることが必要だ

と言います。

その練習のために、

  • 正反対の「一貫して偏ったストーリー」を、両方書き出してみる

ことをすすめています。

そして、ご自分が「分裂勘違い君劇場」に書いた次の2つの記事を紹介しているのです。

「おまえも空気の奴隷になれ」って?「空気読め」の扱い方次第で人生台無し - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ
コミュニケーション能力をウリにする人が醜悪な理由 - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ

この2つの記事のうち、

  • 前者が「空気を読むこと」を肯定した記事で、
  • 後者が「空気を読むこと」を否定した記事だ、

というのですが、そう言われずに一読しただけでは、何を言いたいのかが分からないくらい複雑な論理構成の記事です。

よくよく読むと、

  • 前者では、人間の行為は「利害と感情」に関わるのだから、「利害と感情≒空気」を読む能力は、人間にとって重要である、

ことが述べられており、

  • 後者では、実力もないのに「空気が読める≒薄っぺらなコミュニケーション能力だけが高い」人間が幅を利かす社会のくだらなさ

が主張されます。

これらの主張は「空気を読む」ということの2つの別の側面について述べられたことですから、決して矛盾するわけではありませんが、単純に

  • 「空気を読む」のはいいの? 悪いの?

と知りたい人が、両方を読んだら、混乱するのは間違いありませんよね。

そうした混乱を引き起こせるくらいには、メリットもデメリットも検討した上でなければ、

  • 人を動かすような「一貫して偏ったストーリー」は語れない、

ということになるのでしょう。

あちこちで「絶賛」の声を聞くふろむださんの「錯覚資産」本ではありますが、「一貫して偏ったストーリー」を語る、ということ一つを取っても、これを錯覚資産にまで育て上げることは、「なかなか難しい」ということになります。

はてな村ではお馴染みのシロクマ先生は、
『ふろむだ本』は現代の魔術書だ。だから使う側には力量が求められる - シロクマの屑籠
という記事で、

本書の後半には、ふろむださん自身がtwitterを使って「錯覚資産」を増やし、本書の出版に備えていたプロセスが描かれている。実際に本書が売れているところをみるに、嘘いつわりのない成功譚なのだが、私は、ふろむださんの成功は「錯覚資産」以外の要素によって裏打ちされている、と思う。
 
 私は、「ふろむださん自身に、「錯覚資産」を増やしてもブレない心の強さ、いわば『力量』や『器量』があったから成功した」という風に解釈したのだった。

(中略)

 しかし、そうやって「錯覚資産」を手に入れた者の未来が明るいとは限らない。
 
 むしろ、比較的短期間に手に入れた「錯覚資産」を活かしきれなかった人や、それが仇になってしまった人のほうが多いぐらいではないか。

と書いています。

これは、「錯覚資産」を運用しうる人間が、けれどもそれによって「大怪我」をしかねないことの注意をうながしているわけですが、それ以前に

  • 「錯覚資産」の運用にはるかに及ばないところで、見当違いの努力を重ねる人が大多数、

というのが現実だろうか、というふうにも思うわけです。

というわけで、せっかくあなたは「錯覚資産」について知り、「一貫して偏ったストーリー」を語ることの重要性を知ったわけですから、それをあなたの人生に

  • 本当に役立たせるためにはどうしたらよいか、

ということを、折に触れて考えられたら、最高ですよね。

シロクマ先生の言うような制御可能な範囲での「ディフェンシブ」な運用で、自分の人生を守るために使うのもいいでしょうし、自分の主張を通したいここぞという場面で、十分な下調べをした上で、いい意味での「偏ったストーリー」を語るのもいいでしょう。

コミュニケーション能力をウリにする人が醜悪な理由 - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ
で、ふろむださんが強調する「価値創造」ということを、自分の人生にしっかりと当てはめ、気持よく生きていこうとするとき、「錯覚資産」や「いい意味で偏ったストーリー」はあなたの人生ゲームの質を高める素晴らしいアイテムになるに違いありません。

最後までご精読ありがとうございました。
それではみなさん、ナマステジーっ♬

☆なお、ふろむださんの「錯覚資産」本のネットで試し読みはこちら。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている - 第一章 - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ

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ふろむだ『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(2018 ダイアモンド社)

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