*魂の次元*

空間と時間と魂と。無限の次元でぼくらは遊ぶ。

「科学至上主義」のみなさんは、どうしてEM菌がそんなに嫌いなんですかね?

※こちらの記事にブックマークをつける前にぜひお読みください。
「差別」「EM菌」「牛乳の有害性」についての記事を宣伝してくださっているみなさまへ、感謝の言葉とお願い、そしてご説明 - *魂の次元*

みなさん、こんにちわ。

「科学至上主義」な立場から、

  • 学校教育においてはEM菌を使用するべきでない、

という主張がネット上で散見されるため、今日はそのことについて考えてみようと思います。

結論としては、

  • EM菌の効果が証明されていないからと言って、水質浄化問題に関する限りは、そんなに目くじら立てなくていいんじゃないの?

ということになります。

なお、EM菌などの「疑似科学批判」を「趣味」や「生きがい」となさっている方に対して、それをやめろ、とか、そういう立場はおかしい、とか言っているわけではなく、もう少し大らかに受け止める立場があってもいいよね、という一般的な論を述べているだけのことですので、そこのところをご理解いただければ幸いです。

そもそもEM菌って何なの?

有用微生物群という名の、得体の知れない謎の物質

EM菌とは、名桜大学の教授であり、農学博士の比嘉照夫さんが命名した「Effective Microorganisms 有用微生物群」から頭文字を取った商標であり、複数の微生物を含む発酵物質です。

これは二十年ほど前から、生ゴミなどを堆肥化するために使われていたもので、有機農業などに興味がある方なら、ご存知の方も多いでしょう。

さて、この節の見出しに「得体の知れない謎の物質」などと書きましたが、それには多少の理由があります。

というのは、もともとは「生ゴミの堆肥化にとっても便利」というような唱い文句で知られていたEM菌が、

  • 水質浄化に役立つ、とか
  • 「万病」に効く

とか、いろいろな「尾ひれ」がつくように、いつの間にかなってしまっているんですね。

「堆肥を作るのに役立つ微生物群」ならば、なんの問題もなかったのですが、「『万病』に効く謎の物質」となると、

「ちょっとそれはおかしいんじゃない?」

という声が上がるのも、無理はないですよね。

開発者の比嘉照夫さんが、なんとも擬似科学的であることについて

ここで「科学至上主義」のみなさんからの突っ込みどころとなるのが、EM菌の開発者である比嘉輝夫さんの「疑似科学」っぷりです。

比嘉さんは、EM菌にどのような微生物が含まれているかを明らかにすることには関心がありません。

ですから、EM菌は現状「謎の物質」です。

その上、EM菌が

  • 免疫力を高めたり
  • 化学物質や放射線や電磁波を無害化したり、
  • 体内の重金属や化学物質( ダイオキシン等)を体外に排出したり

すると主張しており、しかもその説明に「重力波」を持ち出すという、現時点での科学的知見から言えば、

「それ、説明になってないよ!」

としか言いようのない説明をしているのです。

というわけで、普通に科学的にものを考えるみなさんが、「比嘉さん、それはおかしいでしょ」と言うのは分かりますし、そこから、「EM菌あやしすぎ」という結論に飛びつく人が多かろうことは、容易に推察されるというものです。

EM菌は水質浄化に効果があるのか?

さて、比嘉さんの主張が「全体的」に見て、キミョーなものであることは、まったくその通りなのですが、ここで一つ考えておく必要があるのは、

  • EM菌に水質浄化作用があるのかどうか

という問題です。

というのも、科学至上主義的立場からEM菌を批判することが始まったのは、朝日新聞が「水質浄化」との関連で、学校教育での使用を批判する報道を行なったことに端を発しているからです。

(この点については厳密な確認はしていませんので、もし事実誤認があれば、ご指摘いただければ幸いです。)

朝日新聞の記事は、「効果疑問のEM」という表現で報道していますが、その内容は「効果が疑問だからEMは使うべきでない」という結論ありきのものであり、「効果を検証すべき」という科学的態度からは遠いもののように思えます。

(この件に関する朝日新聞の取材・報道の姿勢については、こちらの記事をご覧ください。
[DNDメルマガ]vol.469 朝日のEM批判記事検証:青森からの現地報告
なお、上記記事については、次のように批判する記事もあり、批判の内容自体はもっともな点も多いのですが、肝心の「朝日新聞の報道姿勢」及び「EM菌の水質浄化作用」については述べられておらず、片手落ちで的外れな「ためにする議論」だな、という印象です。
朝日新聞によるEM批判記事、への反論記事について検討する - Interdisciplinary
)

朝日新聞の記事は、

「EM菌」という微生物を川の水質浄化に用いる環境教育が、青森県内の学校に広がっている。普及団体は独自理論に基づく効果を主張するが、科学的には効果を疑問視する報告が多い。県は、効果を十分検証しないまま、学校に無償提供して利用を後押ししている。あいまいな効果を「事実」と教える教育に、批判の声も上がっている。

【魚拓】朝日新聞デジタル:「水質浄化」EM菌効果 検証せぬまま授業 青森 - 社会

としており、県行政が無償提供していることや、『あいまいな効果を「事実」と教える教育』には確かに問題があるでしょう。

けれども、「水質浄化に効果があるかどうか」はこれとは別に論じる必要があります。

─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
☆ここでちょっと一休み、<スポンサード・リンク>です。



なんで学校教育にEM菌を使っちゃダメなの?

それは日本の学校教育が子どもたちの「考える力」を奪っている現実があるから

ここで話は、少し横道に逸れます。

こちらの記事で、EM菌を使った小学校の授業風景が紹介されています。
EM菌でプールそうじをやりやすく(4年) : 鮎貝小公式ブログ

EM菌というものが、「無害無益」なものであるのならば、こうした光景はただ「牧歌的」なものでしかなく、目くじらを立てて批判する必要は、とりあえずないでしょう。

けれども、「教育」という名のもとに、「教師が提示したもの(この場合は、それがたまたまEM菌なのですが)」の価値を、子どもたちに刷り込むことが、日本では当たり前のこととして、なんら疑問も持たれないことを考えると、そこには大きな問題が浮かび上がってきます。

子どもたちは、教師の言うことをただ丸ごと飲み込むことを要求され、そこには考える余地もなければ、ましてや批判的な見方を育むことなど夢のまた夢でしょう。

EM菌にどのような効果があるのか、あるいはないのか、といった「考える力」を身につけるための授業は、可能性としてはありうるのですが、そうした授業が実質的に日本では存在しえないことこそが問題なのであり、EM菌を授業に取り入れるかどうかなどというい問題は、それに比べれば取るに足らないものにぼくには思えるのです。

問題はむしろ「科学」とは関係のない、行政と業者の癒着にある

一方、上記のような科学的な立場からの議論とは別に、行政と業者の癒着の問題が示唆されており、この点からは、安易にEM菌の宣伝となるような授業をすることは問題であるとしか言いようがありません。

(青森県の板柳町では)
2009年度からは3年間、リンゴ栽培などでの効果検証を県内のEM販売業者に委託し、3813万円を支出。業者の報告書は、EM菌で作った発酵肥料を使ったリンゴの「糖度が上がった」などとしている。
 だが、EM菌の効果検証の経験がある後藤逸男・東京農業大教授は、この報告書について「条件の同じ畑で、EM菌を使った場合と使わなかった場合でどう違うか、という比較ができていない。科学的検証としては無効」と指摘する。

【魚拓】朝日新聞デジタル:効果疑問のEM菌 県内3町が奨励-マイタウン青森

というのですが、EM菌の販売業者に効果検証を委託って、どう考えてもおかしいですよね。

(原発関連でも同様なことが行なわれてますから、そっちをまず問題にしたいところですけど)

自分が理解できないものを頭ごなしに否定することの非科学性について

さて、最後に「水質浄化作用」についての「科学」の問題に戻ります。

 水質浄化の効果についても、否定する報告が多い。
 岡山県環境保健センターは1997年度、EM菌は水質浄化に「良好な影響を与えない」と報告。実験用の浄化槽にEM菌を加えて600日間観察したが、EM菌のない浄化槽と同じ能力だった。広島県も03年、同様の報告をしている。
 三重県の05年の報告は、海底の泥の浄化に「一定の効果があると推定」した。湾内2カ所の実験で、1カ所で泥中の化学的酸素要求量(COD)が減少したためだ。だが、水質に関しては効果がなかった。
 岡山県の検証に参加した職員は「川や池でも試したが効果はなかった。EM菌が効く場合が全くないとは言い切れないが、どこでも効果が期待できるようなものではない」と指摘する。

【魚拓】朝日新聞デジタル:「水質浄化」EM菌効果 検証せぬまま授業 青森 - 社会

と朝日新聞の記事にあるのですが、「水質浄化の効果についても、否定する報告が多い」ということと、「水質浄化の効果は否定された」ということはまったく違います。

あくまでも、「水質浄化の効果が明らかでない」というだけのことです。

ぼくは「EM菌には水質浄化作用があるかもしれない」と思っていますから、その立場で学校教育にEM菌を取り入れることは、当然オーケーだと思います。

けれど、「EM菌には水質浄化作用がある」というのは「仮説」にすぎませんから、学校教育の場では、当然この点についてきちんと明らかにすべきでしょう。

また、効果が明らかではないわけですから、公費を使ってEM菌を大々的に培養するなどということは、するべきではないでしょう。

しかし、同時に「EM菌には水質浄化作用はない」というのも「仮説」にすぎないのですから、

  • それを理由に「学校教育ではEM菌を用いるべきでない」ということはできない

と考えます。

以上のことを、口語的にまとめると、

  • EM菌の効果が証明されていないからと言って、水質浄化問題に関する限りは、そんなに目くじら立てなくていいんじゃないの?

ということになるわけです。

(ここで「水質浄化問題に限る」のは、医療上の効果や、放射性物質対策として使うとなれば、また別の問題が出てくるからで、そうした側面についてはこの記事では扱いません)

てなわけで、長い記事に最後までおつき合いいただきありがとさんでした。
それでは、みなさん、ナマステジーっ♬

※こちらの記事にブックマークをつける前にぜひお読みください。
「差別」「EM菌」「牛乳の有害性」についての記事を宣伝してくださっているみなさまへ、感謝の言葉とお願い、そしてご説明 - *魂の次元*

---------------

スポンサード・リンク